「LiSA×Uru – 再会 (produced by Ayase)」の感想を作曲家が語ってみた

「LiSA×Uru – 再会 (produced by Ayase)」の感想を作曲家が語ってみた

LiSA×Uru – 再会 (produced by Ayase)

今日は「LiSA×Uru – 再会 (produced by Ayase)」の感想を作曲家の僕が語っていきたいと思います。

音声版はこちら

冒頭

まずこの曲を聴いていないという方、
YouTubeやストリーミングで配信されていますのでこの話を聴く前に是非聴いてみてください。

まずLiSAさんとUruさん、2人の声質は全然違うのでこの2人が一緒に歌うのは
ミスマッチの可能性があるんじゃないかな?と聴いてみるまでは思っていましたが、
実際は全くそんな事はなく、LiSAさんの鋭い歌声をUruさんの柔らかな歌声で包み込む形になり、
とても素晴らしいマッチングがとれていました。

お二人のソロ曲

サビではメインメロディーとハモリを二人が交互に歌っているのですが、
その切り替えが絶妙かつ超絶で、この二人の歌唱力があればこそ。という作りになっていました。

メロディーラインについて

また、曲はYOASOBIのAyaseさんが書かれていますが、Ayaseさん自身ボーカリストとしてとても技術がある分、
メロディーラインが難しい傾向にありますが、この曲も上手い人向けのメロディーの作りだと感じました。

YOASOBI楽曲

まずド頭が最低音から入るのですがF、ファの音で、
通常の女性ボーカル曲ではあまり使わないくらい低い音から入ります。

そして、Aメロの時点で1オクターブ以上の音域を使っていて、
この時点でかなりの難易度になっています。
そして静かなBメロを経てサビではE♭、ミの♭まで上がって、
1コーラス時点で2オクターブ弱の音域を使っています。

ラストのサビでは半音上に転調して、E、ミの音まで使っています。
このミの音、今までのサビでのミの♭は裏声で出していたのですが、
ここでは最高潮に盛り上げる為にLiSAさんが地声で張ってだしています。

そしてそこから瞬時に下ハモリに切り替える、ここは本当に超絶技巧といっていい箇所だと思います。

楽曲やサウンドについて

楽曲の作りについて更に考えていくと、コード進行としては恐らく作曲家のほとんどが使った事のある
4536という、王道とも言える進行なのですが、
その分Ayaseさんのセンスが光る、とても素晴らしい仕上がりになっていると感じました。

また、AyaseさんのWikipediaを調べると「EXILEなどJ-POPの歌手に憧れて音楽の道に進む」という記述があったのですが、
この曲はEXILE系の雰囲気がとても顕著に出ている楽曲だなと感じました。

幽霊東京のセルフカバー等でも聴けますが、
Ayaseさん自身の歌の声の出し方もEXILE系に通ずるものがありますね。

そしてバックのサウンド面ですが、
全体的にパート数は少な目、キックの音で6割くらい出来ていて、
そこにピアノやベース等のパートがのっているという作りです。

シンプルながら心地いいサウンドで、メロディーの良さ、
LiSAさんとUruさんの素晴らしい歌声が際立つトラックメイクに仕上がっているという印象です。

特に、スピーカーやヘッドフォンやイヤホンでしっかりと低音が出る環境で聴くと
キックの音作りがとても心地いいので、その点を注意しながら聴いてみると更に楽しめると思います。

歌詞について

そして歌詞に関してですがタイトルでもある「再会」をテーマにしていて、
この冬を乗り越えて春の訪れと共に笑顔でまた会えますようにという、
希望のような、願いのような内容になっています。

一見これはラブソングのような歌詞で普段ならそのまま受け止めるのですが、
このコロナ禍においての「再会」というテーマは
やはりもっと広いものに向けての事だと考えられます。

遠くにいればいるほど、再会の難しさ、そして重要さが増すこの時代で、
この冬のような厳しい今を乗り越えて、きっとまた会えるという思いが込められた歌詞だと思います。

まとめ

色々と話してきましたが、トータルでまとめると神曲 of 神曲!
本当に大好きな曲で毎日リピートして聴いています。