「Yunomi 恋のうた (feat.由崎司)」の感想を作曲家が語ってみた
- 2020.11.22
- Blog
Yunomi 恋のうた (feat.由崎司)
今日は「Yunomi 恋のうた (feat.由崎司ゆざきつかさ)」の感想を作曲家の僕が語っていきたいと思います。
音声版はこちら
冒頭
まずイントロからの解説です。
静かに始まる和風の旋律、その直後に後ろで鳴っている水の音色がとても心地いいですね。
歌が入ってからはこの水の音がスネアに近い、リズムを刻む役割を果たしています。
そしてメロディーももちろん和風で、
由崎司(CV:鬼頭明里)さんの綺麗な歌声が栄える序盤です。
0:48頃からじっくりと盛り上がるドロップ(あるいは間奏)に入る構成です。
コード進行としては洋楽やダンスミュージックでよく聴かれるループもので、
バックのオケやメロディーラインで変化を付けていく構成になっています。
1:00頃から2コーラス目に入りますが、
間奏から入って来たドラム類の音色を引き継ぎ、
徐々に盛り上がりをみせています。
このキックとスネアの音色も心地よく、しかししっかりと存在感のある
絶妙な音色で作られています。
また、全体に言える事なのですが同時に鳴っているトラック数は少ないのですが
場面によってフレーズや音色がかなり変化しているので、
それによって合計トラック数はそれなりの数になっているのではと予想しています。
2:00頃からはじまる、声優さんの滑舌が生きる早口のパートも心地いいですね。
このメロディーラインはフルコーラスのラストにもあり、
アニメ主題歌尺のラストでもありますがここが最も盛り上がる箇所です。
楽曲展開
フルコーラス、もしくはアニメ尺で聴いて気づいた方も多いかと思いますが、
J-POP特有のわかりやすい、サビらしいサビがない構成になっています。
アニメ尺
また、コード進行も洋楽やダンスミュージックでよく聴かれるループもの。
僕らミュージシャンは聴き慣れている構成ですが、
このような楽曲展開のアニメ主題歌は今までほぼ聴かなかったので、
これでOKが出るんだなと時代の変化を強烈に感じました!
また、余談ですがこの曲が主題歌の「トニカクカワイイ」というアニメ自体も
ヒロイン 由崎司のLive2D映像が作られる等、今の時代感のある展開を見せています。
まとめ
J-POP特有のわかりやすいサビがある構成も好きなのですが、
この曲のような楽曲構成も好きなので、
今後のアニメソングやJ-POPでもこの構成がどんどん起用されて欲しいと個人的には思っています。
和風、綺麗、可愛い、切ない。
また、今までのアニメソングにはほぼなかった楽曲構成。
様々なポイントがあり聴きごたえのある、とても素敵な楽曲になっています。
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